ブックタイトルクムレ60年の歩み

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概要

クムレ60年の歩み

地域の課題と寄り添うホームヘルプ事業一方、「倉敷地域生活支援センター」には、支援学校卒業後や入所施設を離れて、地域で一人暮らしを考える障がい者の相談が増えていた。特に「一人で上手く入浴できない」「料理が作れない」など日常生活への介助を求める「ホームヘルプ」相談が多くを占めた。同センターでは、支援費制度以前からホームヘルプ事業を行っていたが、制度上の裏付けがなかったため、利用者に実費を支払ってもらいながら対応していた。平成15(2003)年以降は、ホームヘルプ事業が軌道にのり、ホームヘルパーを増員し在宅の障がい者への支援を強化していった。その中で、さまざまな障がい者が抱える問題も浮き彫りになった。家庭における権利侵害や経済的な不安などにより、やむを得ず一人暮らしになるなど切迫した状態で相談に訪れるケースがほとんどだった。それ以外にも高齢の母親が介護施設に入ったため、突然養育する人を失い行き場をなくした人もいたようである。同センター開設当時は、毎月のように生活が破綻してしまった人、ホームレス状態の人が駆け込み、短期間宿泊をすることもあった。宿泊機能を備えてはいなかったが、生活保護の認可や新しい居宅が決まるまで空き部屋を提供しながら、今後の生活について話し合った。倉敷地域にはこれらの事情をきっかけに一人暮らしを始める障がい者は多く、バックアップできる仕組みづくりが課題となった。このような状況も踏まえて、平成21(2009)年4月「住まいと暮らしのプロジェクト」が自立支援事業部で立ち上がった。重度の障がい者が地域で生活できる場を作っていく「住まい」グループと、権利擁護の仕組みをはじめ地域で生活するための支援策を考える「暮らし」グループに分かれ検討を行った。「暮らし」グループは、障がい者の保護者との連携を深め、成年後見制度など障がい者の未来を守り支えていく体制の構築が協議された。このような障がいのある子どもをもつ保護者との関わりは、NPO法人「はれるや」へと発展していくことになった。障がい者の向上心を育む作業所の設立地域に根ざした入所施設として期待された「あしたば」では、作業所も作られた。この頃「あしたば」に通ってデイサービスを受けたいという相談が多く寄せられていた。当時入所施設に通って利用することはできなかったが、そのようなニーズに応えるため、「あしたば」内に在宅の障がい者も利40