ブックタイトルクムレ60年の歩み

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概要

クムレ60年の歩み

第3章「ともに生きる」地域福祉の確立へ事業を実施できるように、平成14(2002)年9月、倉敷市生坂の住宅地に移転開設した。現在同センターは地域の相談に応じ、福祉制度やサービス、今後の生活や支援学校卒業後の進路相談など、多岐にわたる相談に応えている。また住宅コーディネーターを配置し、住宅や入居に関生坂の地に開設された「倉敷地域生活支援センター」するサポートや軽作業、喫茶、インターネットを楽しむサロン活動も行っている。平成12(2000)年10月、「知的障がい者グループホーム上東ホーム」を開設し、「あしたば」を利用していた3人が、グループホームで生活を始めた。ところが保護者からは「やっと施設に入所できたのに何故出ていかなければならないのか」など、グループホーム利用に対する反対の声もあった。当時の入所施設は障がい者の“終の棲家”というイメージが強かったため、長年利用継続する状況であった。そのため、施設への入所はとても困難で、障がいのある子どもをもつ保護者にとって施設への入所は悲願だったのである。グループホームに移った3人の利用者も時間が制約されない生活になかなか慣れることができず、週末には「あしたば」に戻るなど開設当初は課題も多かった。次第に利用者は自由で「自分らしい生活」に快適さを感じはじめ、「あしたば」に戻ることもなくなり自立した生活を続けられるようになった。保護者が理解するまでには多くの時間がかかったが、利用者のいきいきした姿を目にし「ここに移ってよかった」と胸をなでおろしていた。平成18(2006)年10月には「共同生活援助・介護事業クムレ」が開設され、4カ所のグループホームを統括し、利用者の生活支援を行っている。平成10年代?平成27年発達障がい児支援方法の模索一方、「倉敷学園」でも、新たな療育の課題に直面していた。平成5 ? 8年頃は、障がいのある子どもの中でも自閉症など発達障がいのある子どもが全国的にクローズアップされた時期だった。「倉敷学園」でも自閉傾向の強い知的障がいの子どもがいたため、発達障がい児を療育するクラスが設けられていた。その頃は自閉症に対する療育方法は、あまり確立されておらず、従来の療育方法ではなかなか成果が上がらない状況が続いていた。クラスを受けもった職員たちは、自閉症の特性などを勉強しながら試行錯誤し、独自の療育方法を考え子どもたちの支援を行っていた。クムレ60年の歩み37